津軽系こけし

ヒックとドラゴン 聖地への冒険の津軽系こけしのレビュー・感想・評価

4.6
あの翼に任せて


【泣くに決まってる】

🟧「ヒックとドラゴン」の3作目にして完結編です。こちらはドラゴンと人間が共に暮らす現状へ疑問を投げかける内容になってます。ドラゴンと共に暮らしたいけれど、でもそれは彼らを束縛するということにもなってしまう。ヒックたちはその理想と現実の狭間で葛藤してゆく。

ドラゴンの自由か、使役による共存か。

しかし自由にさせるということは、ヒックにとってトュースとの別れも意味する。彼らの選択に、そして「ヒックとドラゴン」が長年紡いだ世界との別れにも注目です。

【2の延長】

⬛️ドラゴンと人間の関係を「使役」と断ずるのは「ヒックとドラゴン2」で一度扱われた題材でしたね。ヒックは「あくまでも友達だから問題ない!」と根性論で斬り捨てていたけど、あれでは説得力がなさすぎる。そのブレブレの理論を突き通してしまったために「ヒックとドラゴン2」という作品はイマイチな出来栄えになっていました。

だから今作の内容は前作テーマとの再対峙というふうにも受け取れる。その点ではどう比べても今作の方が優れた伝え方をしてます。というか題材が題材だから完結編の枠でしか語れないという側面もあるのでしょう。

🟦それから、各要素が妙に云々の寓意っぽく目立つため、イデオロギー臭さがなんとなく漂う。まあ、こういう少年向けの物語にはそれくらいの臭さがあった方がいいですけどね。

【まとめ】

😭ラストでべろんべろんに泣きました。やっぱり愛着のある物語との別れはめちゃくちゃ悲しいですね。

いつかこの物語を子供に見せ伝えるのも楽しいかもしれない。こんなドラゴンとこんな人たちがいたのだよと
津軽系こけし

津軽系こけし