海老シュウマイ

MIRACLE デビクロくんの恋と魔法の海老シュウマイのレビュー・感想・評価

2.0
私が中学生の頃、英語塾を開いていたキリスト教の教会に通っていて、予習、復習も全くせず、暗唱聖句もカンニングで乗り切り、ひたすらそのクラスの一人の女の子に恋焦がれていた私からすると、クリスマスと「奇跡」にはやはり特別な思い入れがあるわけで、

本作が邦画のクリスマス映画の代表みたいな顔をしているのは納得がいかない。

確かに、道で突然、ハン・ヒョジュssiと出会ってしまうのは奇跡的だし、
榮倉奈々が「のぼうの城」や「図書館戦争」でも見せた天真爛漫さと、時折見せる「女子」なギャップにやられてしまうのはある。

しかし、相葉くんの気づきがご都合主義的すぎて、単に相手を乗り換えただけに見えてしまうし、そして何より山下達郎もクリスマスも関係ない!


そもそものお話の構造として、
「幼なじみとくっつく話はドラマチックなのか問題」があると思っていて、ましてやそれと「奇跡」との相性が悪い気がする。
長年の付き合いがある上で、そこで起きる奇跡って何よ?運命の二人ならとっくに結ばれるはずで、じゃあ今日までの時間は何だったのかと。

道ですれ違ったら一生会えなくなるぐらいの緊張感の中で出会い、結ばれるから奇跡なんだろ?

戦時中のドイツ兵とイギリス兵が塹壕から出て来て一緒に記念写真を撮ったりサッカーを始めてしまうのがクリスマスだろ?

あり得ないことが起きる、それが奇跡ってもんじゃん。
ろくに奇跡というものに意識的にもなれず、きっちり描く気もないやつらがミラクルだのクリスマスだの語るなっての。


この世界に山田杏奈様が存在し、同じ時間を共有できること、それだけで奇跡なのだよ。要するに、山田杏奈でクリスマス映画を撮りやがれって話。