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未来を花束にしてのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

未来を花束にして(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

女性参政権運動に目覚める女性を描いた作品。

「サフラジェット」に興味があったので視聴してみたのですが、思ってた以上に過激なテロ行為を働いていてビックリ。
一応、人は傷つけない…という線引きはされてるものの、店やインフラを破壊しまくる女性の姿は、なかなか衝撃的ではありました。

勿論、本作は彼女達をただのテロリストとして描くだけでなく、その背景もきちんと描かれていきます。
参政権がないどころか、ほとんど奴隷の様な環境で働かされてる事を考えれば、彼女達の反発心にも同情を覚える事でしょう。
見ている最中、「テロ以外の方法で何とか出来なかったのか?」と考えましたが、参政権がない以上、政治に訴える事も出来ないし、政治が動かないなら司法も動かないわけで、もう無理ゲーなんですよね。
そうなると、テロという手段で訴えるのも仕方ないのかもしれません。

映画は1人の女性がサフラジェットに目覚め、その代償に仕事や家庭を失う姿が描かれるわけですが、個人的にはサフラジェットになった喜びみたいなものも、もうちょっと描いて欲しかったかな。
失うばかりではなく、そこには自分の人生を自分で選択する幸せや誇りも確かにあったはずで、彼女達がただの犠牲者に見えちゃうのは、ちょっと残念な部分ではありました。

女性の参政権運動にしろ、黒人の公民権運動にしろ、なかなか今の自分と結びつけて考えるのは難しい部分もあるでしょう。
でも、こういう作品を見ると、「選挙権が如何に貴重なものか?」って事は分かると思うんですよね。
逆に言えば、選挙権を捨て去った先にあるのが、本作で描かれる様な世界なわけで。
男女問わず、選挙に行かない人達にこそ、見て欲しい作品です。
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