あかねこ

ペンギンズ FROM マダガスカル ザ・ムービーのあかねこのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ほろ苦いところのある映画だった。

クライマックスでデイヴが人々の喝采を浴びながら登場するシーン。
最高にかっこいい音楽をバックに、彼はロックスターのようにマイクを構える。
このシーンは切なかった。
彼の望み続けていた、懐かしい喝采。
しかし、それは彼の憎むペンギンたちによってもたらされたものなのだ。

切ないといえば、隊長が部下を救うためNWの指揮下に入ることを選択するシーンも切なかった。
今まで(マッドなところもありつつ)自信に満ち溢れていた隊長が、最先端の技術や武器を持つエリートを目の当たりにして、新人を救えるのは自分たちではないと判断する。
冒頭で見せられたように、幼い頃からリーダーとして引っ張ってきた頼もしい隊長が。
「ペンギンたちは凄腕のエリート揃い」という前提で今までシリーズを楽しんできた私たちも、ショックを受けるシーンだ。

それでも結局は、何が大切かということが提示される。
新人がキュートなのは、見た目がキュートだからというだけではない。
そして私たちがペンギンたちを尊敬しながら愛しく思う理由は、決してCGとBGMと爆発で構成されたかっこいい作戦を完璧に遂行するからではない。
ありがちなシーンかもしれないが、助けを求める新人にすぐに正気に戻る隊長の姿に、思わず涙ぐんでしまった。
あれこそが隊長がエリートであるという証明なのだ(なんて深い愛だろうか)!


あれこれ考えても楽しいし、考えなくても楽しい映画だった。
タコたちもユーモラスで愛嬌がある。


(新人が捕らえられたとき映った檻の中にハーモニカを吹くペンギンがいたが、あれはフレディとジョンソンだったんだろうか)