GT

ラブ&ピースのGTのネタバレレビュー・内容・結末

ラブ&ピース(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「Love and Peace お前を 忘れない」
こういうタイプのストーリーに、俺は弱い…。
園子温監督と言ったら「冷たい熱帯魚」などのショッキングでグロテスクな作品が有名だが、本作は非常に無垢な作品に仕上がっており子供でも楽しめるほど。そうと言ってもやはり園子温、彼らしい毒のあるジョークも見る事ができる。そもそも主役となる亀の名前が「ピカドン」なのだ。その名前の決め手になったインタビュー映像が死ぬほど頭が悪いのも皮肉っぽくていい感じ。冒頭から派手に、スピーディに駆け抜けていくのは、いかにも園子温という感じだ。
捨てられた人形や動物が集う地下世界の物語は、トイ・ストーリー3に似た雰囲気。星野源だったり中川翔子だったり声優が妙に豪華。この集会所に迷い込んだピカドンが「願い事が叶う代わりに体がどんどんデカくなる飴」を誤って飲んでしまう事で、飼い主である良一はスターの道を歩み始める。スターになるにつれどんどん横柄になっていく展開は、結構ありがちか。それと並行して、地下世界の人形劇。最後の展開は西田敏行の優しい演技も相まってすごく泣ける。
スターになって天狗になっている時でも尚最初に出来た友達であるピカドンの事を大事に思ってるのすき。ピカドンが消滅した所を見た良一は元いた場所であるボロアパートに帰って行く。そして彼が恋していた相手、寺島がそこに訪れて映画は終了。こうして見ると王道的展開が多い気もするし色々詰め込みすぎて話の軸がないような気もするけど、園子温が魂の一作と言ってる通り好き勝手にやった作品だろうし、そうした熱量はものすごく伝わってくる。星5でいいのかどうか迷う所だけど、実際ボロ泣きしたのでまあこの点数で行かせていただきます。
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