三樹夫

猿の惑星:新世紀(ライジング)の三樹夫のレビュー・感想・評価

3.8
リブートシリーズ2作目。前作より10年後で、アルツハイマーの薬が人間にとってウィルス化し、500人に1人しか抗体を持たないため多くの人間が死んだ。さらに暴徒化した人間同士でも殺し合いをし人間の数が激減。シーザー達は森でひっそりと暮らしていたが、生き残った人間がダムの水力発電を再稼働させようと森にやって来て新たな争いが起きる。
前作ではウィルとシーザーとのドラマを展開していくような終わり方だったが、あっさり無かったことになり今作ではウィルはカメオ出演程度にしか出てこない。しかしウィルとの日々がシーザーの中に大きく残っており、出てこないながらも影響力はある。
ついに人間と猿との戦いが始まるが、前作では銃の前に結構押されていた猿連合だが、今作では猿つえ~となるぐらいの暴れっぷり。監督が変わり、というか前作の主役もほぼ出ないし色々紆余曲折があったんだろうなというのを感じるが、そのことでアクション要素が増えもはや戦争みたいになっている。

相変わらず人間は死んだ方がよくない?となるシリーズで、丸刈りのクソとゲイリー・オールドマンが人間ってクソかという思いっきりクソムーブをかましてくるので猿側に共感するようになっている。
そんな中で新機軸として今作では猿の中で人間への穏健派のシーザーと過激派のコバとの対立が起こる。コバは独裁者のようになり、「猿は猿を殺さない」という掟すら破ることが完全に一線を越えた領域に入ってしまったことを示している。シーザー一派の粛清とかやってることスターリンか。
丸刈りのクソ、ゲイリー・オールドマン、コバと今作における戦犯トリオだが、やっぱり脳筋って碌でもないな。
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