Donatello

ジュピターのDonatelloのレビュー・感想・評価

ジュピター(2014年製作の映画)
2.9
『スピード・レーサー』を彷彿とさせる映像。独特すぎる世界観。目まぐるしい場面展開。
目一杯の皮肉ですええ。

『マトリックス』では人類を乾電池扱いしたウォシャウスキー姉弟が、今度は人類を美容液化。
…はいいんですけどね。

『クラウド・アトラス』のあの唸らざるを得ない、「あんたら天才か!」って脚本から一転、完全にソレとは真逆の、いやこれ30年ぐらい前に考えたやつじゃねーの的なプロット。

まぁでもそういう映画もいいですよ。有りかもしれません。ただしそれはレンタル店の1、2本しか置いてない「店員が選ぶ隠れた秀作コーナー」ものだけで、ウォシャウスキーさん達をもってしてコレはおかしい。

あんだけ街ぶち壊しておいて、「みんな忘れるさ」はちょっとどうですの。もうウィル・スミスからピカッと光るやつ借りてこいよと。

あと『ドリーム・キャッチャー』のアレみたいなやつウジャウジャだしてなんなんだ。ダディッツ連れてこいよと。

ブラスターなんかのデザインはカッコいい。ファンネルがついたモビルアーマーみたいなやつもいい。各種SFに対するオマージュもいいんですが、ゴチャゴチャしすぎだろと。

非人間的なキャラクターに独自性があまりないし、VFXもなんとなく雑。
本当にこれウォシャウスキー作品なんだろうかと途中疑いましたよ流石に。

個人的にはかの迷作『ジョン・カーター』の方がまだオチの展開が理解できるというか、ツッコミどころ少なかった気がしないでもなく。
なんだか『シャドウ・ハンター』と似た「世界的に大ヒットといわれてもゴメン理解できない」系でした。

こういうの好きな人は好きだと思いますけど。ある種のトランス作品として。

ただストレートの前の見せ球の変化球みたいなもので、次に凄い作品がくるのを期待してます。コレの続編のことでなく。
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