『スピード・レーサー』を彷彿とさせる映像。独特すぎる世界観。目まぐるしい場面展開。
目一杯の皮肉ですええ。
『マトリックス』では人類を乾電池扱いしたウォシャウスキー姉弟が、今度は人類を美容液化。
…はいいんですけどね。
『クラウド・アトラス』のあの唸らざるを得ない、「あんたら天才か!」って脚本から一転、完全にソレとは真逆の、いやこれ30年ぐらい前に考えたやつじゃねーの的なプロット。
まぁでもそういう映画もいいですよ。有りかもしれません。ただしそれはレンタル店の1、2本しか置いてない「店員が選ぶ隠れた秀作コーナー」ものだけで、ウォシャウスキーさん達をもってしてコレはおかしい。
あんだけ街ぶち壊しておいて、「みんな忘れるさ」はちょっとどうですの。もうウィル・スミスからピカッと光るやつ借りてこいよと。
あと『ドリーム・キャッチャー』のアレみたいなやつウジャウジャだしてなんなんだ。ダディッツ連れてこいよと。
ブラスターなんかのデザインはカッコいい。ファンネルがついたモビルアーマーみたいなやつもいい。各種SFに対するオマージュもいいんですが、ゴチャゴチャしすぎだろと。
非人間的なキャラクターに独自性があまりないし、VFXもなんとなく雑。
本当にこれウォシャウスキー作品なんだろうかと途中疑いましたよ流石に。
個人的にはかの迷作『ジョン・カーター』の方がまだオチの展開が理解できるというか、ツッコミどころ少なかった気がしないでもなく。
なんだか『シャドウ・ハンター』と似た「世界的に大ヒットといわれてもゴメン理解できない」系でした。
こういうの好きな人は好きだと思いますけど。ある種のトランス作品として。
ただストレートの前の見せ球の変化球みたいなもので、次に凄い作品がくるのを期待してます。コレの続編のことでなく。