nid

ソロモンの偽証 前篇・事件のnidのレビュー・感想・評価

4.4
設定が中学生ということもあり、少し臭いことや、物事に対する直向きさが、子供っぽいからこそ、大人が演じるときより違和感がなく見れて、その良さがわかった。

大人の設定も秀逸だった。極端に肯定派につくわけでもなく、否定派につくわけでもない。ここのバランスは難しいところだと思う。

時代設定が1990年ということもあり、その当時のことを現代から振り返って書くことができるため過剰になりすぎたり、不足したりすることもなかったと思う。現代を描こうとすると、どうしてもそういうふうになる傾向があると思う。

中学高校時代は、弱肉強食の社会生活おくるための準備期間としての弱肉強食の社会生活だ、ということを感じた。公立に通っている子と私立に通っている子。そういう大雑把な指標ではないものが、無限にあるのだろう。しかし、本人たちは、それに無自覚に中高時代を生きている。とても残酷なことではないか。残酷であるが故に、それを知らずに生きることが、消極的な救いになっているとも言える。
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