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ベイマックスのhilockのレビュー・感想・評価

ベイマックス(2014年製作の映画)
3.5
いい意味で予告を裏切る映画である。兄弟愛前提で告知していた映画とはまるで違い、戦隊もののように悪と戦う話である。また『バットマン』のように研究されたものを秘密兵器として戦うところはディズニーっぽさよりは、DCコミック系じゃん?と見ていて思いました。鑑賞終了後よくよく調べてみると原作はマーベラスらしい。そう聞けば大いに納得できる。しかし、これディズニー映画と仕分けしていいものかと作品批評より深刻に考える。というのも、90年代以降のディズニー作品も有名な原作をベースにした超大作という宣伝文句の割りには、過去のディズニー作品から逸脱できず、また、原作を超えない諸作品が多かったからだ。しかし、本作は、『アナ雪』の系譜にある兄弟愛をを全面に出している点が成功しているのであろう。家族愛がアメリカ映画の根底にあった時代は当の昔に消え去っているにもかかわらず、王者の威厳とでもいうように、過去の定石を並べていた作品とは全く持って違う作風になっている。ただ、『アナ雪』の二番煎じのように、姉妹のあとは兄弟という見え見えのシチュエーションコンセプトで作成していないということを心から祈りたい。今までの伝統を払拭しながら、新しい物を追求するアニメ大手が、過去の憂いを心の中で持ち、また新機軸で打ち出しているという、巨人の巨人たる悩みが見てとれる。花園神社の鈴にインスパイアされて、ベイマックスの造形を作ったことを聞いてびっくりしました。俺をケアしてくれる人は誰なんでしょう?
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