TAK44マグナム

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.6
世界で最も有名なヒーローであるスーパーマンとバットマン。
その両雄がついにスクリーンで激突する「ジャスティス・リーグ」前夜祭みたいなアメコミヒーロー超大作。

前半は完全に「ガメラ3」です。
バットマン=前田愛!
「わたしはガメラをゆるさない」
「おれはスーパーマンをゆるさない」
というわけであります!
まあ、あれですよ。ウルトラマンとかが怪獣と戦うと、当然、プロレスしたりビームで爆発したりするわけで、街に多大な被害が及ぶわけじゃないですか。
怪獣を倒して良かったね!・・・で終わるわけがないという考え方でして、少し脱線すると、それを子供番組で突き詰めてしまったロボットアニメとして「無敵超人ザンボット3」が知られています。
地球の平和を守っているはずの正義のザンボット3側が「おまえらがいるから襲われるし、街が破壊されてしまうんだ!迷惑だから出ていけ!」と日本政府のみならず国民から総スカンを喰らってしまうという、子供にこれ見せてどうするんだ?といった内容が後になって再評価されていたりします。
それと同じ構図が本作のスーパーマンにもあてはまりまして、彼を神と崇めたり、ヒーローとして歓迎する者も多数いる反面、内輪のもめごとで都市を丸ごと破壊しつくしたのは厳然たる事実というわけでスーパーマンの存在に懐疑的だったり、大事な社員を大勢失ったバットマン=ブルース・ウェインのように怒りと恨みをもつ者もいるんですな。

それでもって、そこへレックス・ルーサーという企業家で実はワルという非常に分かりやすいヴィランが絡んでくるというわけです。
スーパーマンのヴィランの中でも特に認知度が高いレックス・ルーサーを、本作ではジェシー・アイゼンバーグが怪演、ロン毛の兄ちゃんという斬新なレックス・ルーサー像をみせてくれていますよ。

ただですね、このレックス・ルーサーもそうなんですが、主要キャラクターであるスーパーマン及びバットマンまでもがですね、いまいち何を考えて行動基準にしているのかとか、そもそもの立ち位置が不明瞭なのがいただけない。

終盤はワンダーウーマンの突然の大活躍もあって盛り返すのですが、それだけに中盤までのもたつきが勿体ない!
本格的にスーパーマンとバットマンが対決するまで、とにかく皆がみんな、何を思っているのか伝わってきません。

スーパーマンは超然とヒーロー活動を続ける傍ら、自分の存在に悩んでいる・・・のかと思いきやそうでもなかったり。
何故かバットマンに並々ならぬ敵対心を持っているんですけど、それが何故なのかも良く分からなかったですね。
法を守っていないから・・・らしいのですが、バットマンだって20年間もゴッサムで自警活動を頑張っている老舗ヒーローなのになあ!
ヒーローとしては先輩なんだから敬わなきゃいかんのだぞ!
他に危険な輩はたくさんいるでしょうにねぇ・・・・・

バットマンは、スーパーマンに敵対するのは理解できても、途中まで一体何を調べたり戦っているのか分かり難いことこの上ない。
本作ではバットマンの誕生とかは端折っているので、当たり前に存在するキャラクターとして登場します。
演じるベン・アフレックの何を考えているのか分からない「とろ~ん」とした演技も相まって、とにかく説明不足。
夢オチな場面も、分かり難さに拍車をかけちゃってますね。

レックス・ルーサーに至っては、無邪気に「神殺し」をやってみたいのか?としか思えないキャラクターで、単なるキチガイにしか見えなかったという・・・(汗)
あいつは結局、何がやりたかったのか??

しかも、編集も雑というか何というか・・・
やたら場面が切り替わるのですが、お話の核心に触れる前にまた場面が変わってしまうので、頭の中で色々と補てんするのが追いつかなくて「脳内ハテナマーク」状態の前半でした。
モヤモヤ~とした感じがイヤイヤ~(汗)

それでも前述したとおり、クライマックスであるドゥームズデイVS即席ヒーローチームのバトルに入ってからはワンダーウーマンのデカすぎる存在感も功を奏して盛り上がりましたね!
すんげえエフェクトがド派手で、日本のアニメみたいに大げさな破壊表現がスカッと留飲を下げてくれるし、何よりもワンダーウーマンが素晴らしかった!
いや、ヒーローとしての活躍はホンのちょっとなんですけどね(それでもバットマンの20倍は活躍してます。というか、相手が化け物すぎてバットマンがどうこう対処できるわけがない)、演じたガル・ギャドットのコスプレが最高すぎました!!
「ワイルドスピード」シリーズから「キレイな女優さんだなあ」と気になっていた美人女優さんですが、非コスプレ時はやたらと胸元や背中がババーンとあいたセクシーなドレス姿を披露、コスプレしたら今度はルーブル級に芸術的な太ももで悩殺してくれちゃって、もうどげんしたらよかですか!!
きっと今日みる夢は、ガル・ギャドットの意思の強そうなグッドルッキングフェイスとセクハラ誘発太ももに違いなかとですたい!!

・・・・・・・完全に主役を喰っちゃってます(汗)
真面目に、スーパーマンより強いんじゃね?ぐらいの描写でしたしね。少なくともバットマンなんてお呼びじゃない(苦笑)
最高だぜ、太も・・・・・・じゃなくってワンダーウーマン!

それと、ほんのすこしだけでも「ジャスティス・リーグ」のメンバーになるであろう新ヒーローの姿がみられたのは良いサービスでした。
フラッシュはともかく、アクアマンなんてUMA(未確認動物)映像さながらな感じで、海の中であんなのと出会ったらショックのあまりに海パンが脱げちゃいそうですよ。

というわけで、総評としては可もなく不可もなく+ワンダーウーマンの素晴らしさ(主に太もも)!
思ったよりも地味に回りくどい映画でしたけれど、どうしたって「ジャスティス・リーグ」への期待は高まってしまいます!
ボスキャラのキャラクター性が弱いとか、アメコミ映画のマンネリ感やネタ切れも深刻にみえますけれどね。
マーベルの「アベンジャーズ」を超えるヒーロー大集合映画になれるのかどうか・・・・・ぜひとも切磋琢磨しあい、頑張って面白い映画にしてほしいものです。


ちなみに、なによりも一番興奮したのは、「キャプテンアメリカ/シビルウォー」の予告編でのスパイダーマンだった・・・というのはここだけの秘密☆ですよ~~


劇場(シネプレックス平塚 2D字幕)にて