ねこ無双

アッテンバーグのねこ無双のレビュー・感想・評価

アッテンバーグ(2010年製作の映画)
3.3
性への関心と無関心、好奇心と嫌悪、双方持つ女性が性と死を受容してゆく(過程を描いているように私には思えた)。

主人公は父親と二人暮らし。
父は病が進行しつつあり、闘病のために家を離れることに。

序盤、女同士のべろちゅーのアップからの衝撃的な始まり。
男性経験が全くない主人公のために親友がディープキスのやり方をレクチャーしてたのだ。
感想が「ナメクジみたい」「気持ち悪い」に笑ってしまう。
性愛に全く関心の無いタイプの人?とも思えたけど、完全にそうでもなさそうなんですよね…。

親友とはツーカーなのに、彼女の奔放な性を陰では批判する。
死期が近い闘病中の父との関係はとても近いゆえか、一見冷静なようでいて、死の予感を受け入れることが出来ない。
そんな彼女にもやがて静かに変化が訪れる。

この卑猥とも取れる意味深ジャケはふたりのシンクロダンスからのワンカット。
この二人の掛け合いが映画に奇妙なニュアンスをもたらす。

ランティモス監督の作品だと感じる事は無かったんだけど…今作は狙って奇を衒ってるように感じてしまった(少数派です)。

主演はヨルゴス・ランティモス監督の奥様。
ヨルゴス監督は出演(主人公とベットを共にする男役で全裸も披露)、製作を兼務されてます。
監督はギリシャの方です。