これが"ギリシャの奇妙な波"なのか。
性への無垢なる関心、"普通"の枠を好奇心で逸脱していく危うさ。
少女2人の背伸びした毎日と、セックスや性器について語り合う父子。セックスが中心にあり、されどそのオープンさや健全さはある種この現実へのカウンターになっているようにも思えた。
奇妙な体躯の運動も非常映画的で、肉体の官能性を非常に上手くとらえていた。
ランティモスの作品を含めて考えると、全体的に性へのオープンな姿勢があり、それを秘め事とする世の中との相対によって"奇妙"と定義されるに過ぎないというのが、大きな"波"の特徴なのかもしれない。
あともうひとつ良かったのは、あのギリシャの区画整理された街の殺風景さである。登場人物を中も少なく、隔離されているような印象を受けた。