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沈黙の宿命 TRUE JUSTICE PART1のblacknessfallのレビュー・感想・評価

沈黙の宿命 TRUE JUSTICE PART1(2010年製作の映画)
2.7
自分と同じ誕生日の有名人を戯れに調べるよね、1度は。同じ日てだけで何の関係もないのに好ましい人だと嬉しいし、嫌いな人だとガッカリするよね。

今日はおれの誕生日なんだけど和田アキ子の誕生日でもあって、何年にも渡ってテレビで和田アキ子が祝われてるのを目にしてるんだよ。
物心ついた時から和田アキ子はずっと芸能界の重鎮で下っぱのタレントが彼女にゴマすってる光景を見ると、自分も一つ年を取ったんだな、て感傷と、根拠もないのに大物気取りでパワハラしか能がない無神経な女と同じ誕生日だという事実にゲンナリしてたんだよ。そもそも和田アキ子は何であんなに偉そうなのかね?そして何で人気があるのか?あんなの近くにいたらストレスならないかね?

しかし、セガールの誕生日も今日(4月10日)だと知ってからアキ子のことなぞ気にならなくなった。
実はセガールのことはけっこう好きで、と言ってもアクション・スターとしてじゃなくて、反戦平和反差別のハイパー・リベラルな政治性が好きで。これってアクション・スターでは珍しいと思うんだよ。
シュワルツェネッガーは共和党だし、スタローンは"ランボー"シリーズで完全にレーガン政権の正義を代弁していたし。
セガールがどれだけハイパー・リベラルかと言うと、自身で監督した"沈黙の要塞"で映画のバランスを無視してラストに環境破壊批判の熱い演説と映像を挿入するガチっぷり。

「現在の環境汚染の原因は大企業に主な因がある、彼等は金儲けのためなら環境破壊など一顧だにしない」
「大企業はメディアを使い我々を洗脳してる。批判の声をあげる人達を狂人に見えるように」

これがその演説の一部なんだけどしびれるよな。舌鋒の鋭さ、視野の広さ、批判の的確さ、まるで80年代のイギリスのポリティカル・ハードコア・パンクバンドのconflictの歌詞みたいだよ❗️

そんなわけでセガールの誕生を祝して観たのがこれ。

今回のセガールはワシントン州警察特別捜査班のリーダー、特別捜査班は他の課では扱えない凶悪な事件を担当する。

雑貨店を営むアジア系夫妻殺人事件が発生。捜査線上に浮かんだロシアンマフィアの麻薬ルートの摘発と組織壊滅にセガール率いる特集捜査班が動き出す!

この映画も、もはや何作あるのか、自分が何作見てるのか?そしてこれは何作目なのか?ほとんどの人が把握してないであろう"沈黙シリーズ"の1作。沈黙シリーズは日本だけのくくりで、さらにこれは『true justice』シリーズの1作目とのこと、ややこしい笑

所謂、刑事モノ、その班や分署の活躍を画く形式なんでアクションはあるけどアクション映画的な派手なものは皆無。
セガールは司令塔の位置、"刑事コジャック"のコジャック、"太陽に吠えろ"の石原裕次郎のポジションだから作戦を立て指揮し、部下達を叱咤激励するシーンがメインに。
これは、加齢のために近年増えてきた自分がえらいさんになって、アクションを他の面々で補うパターンの作品だよ笑

まあ、それでもセガールなんで要所々々に合気道ギミックのアクションもあり、事件の推理はバッチリ正解で、立てた作戦は如くごく当たる。
そして的確なアドバイスで部下達のハートもガッチリ掴む。
要するに設定はスリリングだけど危機は割りとあっさり切り抜けホイホイ解決して、ゲップが出るほどかっけーセガールが堪能できる、いつもどおりの沈黙シリーズでありセガール笑

沈黙シリーズは基本どれも肩肘張らず頭も使うわずに観れる気軽さだけが取り柄なんだけど、ちょっとしたとこにセガールのポリティカル・ステイトメントが入るものもある。
これは入ってるやつで、犯罪現場の1つが元々は世界大戦中の日系人収容所で、当時の日系人の悲劇をセガールが部下に教えたり。
セガールが取り調べしてる容疑者が移民を侮辱する発言すると「移民を侮辱するのは俺を侮辱するのと同じだ!」と怒りを露にする。
スキあらばセガールのポリティカル・メッセージが入ってくるのも沈黙シリーズの見所の1つなんだよ笑

セガール、誕生日おめでとう。これからも末長くあなたじゃないと成立しない。不思議なリベラル・ポリティカル・アクション映画を量産し続けてください笑
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