Myke

イヴ・サンローランのMykeのレビュー・感想・評価

イヴ・サンローラン(2014年製作の映画)
3.5
「YSL」というロゴで、多くの人々に認知され、
愛されている世界的ハイブランド、
Yves Saint Laurent。

この映画は、
創始者イヴ・サンローランと彼のパートナー、
ピエール・ベルジェとの関係を通して作成されている
イヴ・サンローランの伝記映画である。


ファッション業界に革命をもたらし、
服を通して多くの人々の感性に呼びかけ、
生活に彩を加えてくれたイヴ。

しかし、彼自身の私生活は決して彩ってはいなかった。

プレッシャーに耐えきれずに精神病にかかったり
繊細な自身の性格との戦いであった。

そして、愛欲にまみれ、薬物とお酒に溺れていく。
スターと呼ばれる人たちは、この4つに苛まれた
苦悩の人生だったとよく聞くが、
ファッション界のスターも、どうやら同じみたいだ。

成功することだけが幸せな人生ではないのだなと思った。

スティーブ・ジョブズは
「私が勝ち得た富は、
私が死ぬ時に一緒に持っていけるものではない。   
私があの世に持っていける物は、
愛情にあふれた思い出だけだ。
これこそが本当の豊かさであり、
あなたとずっと一緒にいてくれるもの、
あなたに力をあたえてくれるもの、
あなたの道を照らしてくれるものだ。」
という名言がある。

イヴの生涯のパートナーであるピエールが
イヴサンローラン立ち上げの後援になってくれ、
それから40年間、イヴがどんなに落ちぶれようとも
見放さずにそばで支えてくれた。

そして「イヴ・サンローランは女性に力を与えた。」
とピエールは言っていた。

人種差別やLGBTへの偏見が現代より強かった80年代。
イヴは、自身の同性愛というジェンダーを
ファッションへ投影させ、
積極的に有色人種のモデルを起用した。

ジェンダーや差別という垣根を越えて、
世界中のファッションへ革新をもたらしてきたのだ。

それは、ピエールから与えられた愛なしでは
なし得なかったと思う。
恋愛を超えた確かな人間愛がそこにあった。

私自身、今の夢を叶えたいし、
その成功のために毎日走っていて、成功を目指しているが、
人として本当に大切なことを見失わずに、
人に対して思いやりと愛することを忘れずに生きたい。

◯印象に残ったお芝居
イヴ・サンローラン演じるフランスの俳優
ピエール・ニネ。繊細な佇まいや仕草、話し方
そして感情の起伏。華々しい裏の顔をありのまま
に表現した姿は、伝記映画というよりリアルドキュメンタリーと錯覚してしまうほどだった。
 
Myke

Myke