ゆずきよ

ジャージー・ボーイズのゆずきよのレビュー・感想・評価

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)
3.8
敬愛するクリント・イーストウッド監督。
実在したフォー・シーズンズというポップスグループのドキュメンタリーミュージカルを映画化した作品。
恥ずかしながら、フォー・シーズンズというグループに関しては名前が聞いた事ある程度、ミュージカルに関しては全く存じ上げていなかった。
元々何処までが史実で、ミュージカルの台本にもどれほど沿っているのかがわからないので、映画として観た感想です。

物語は、あまり治安の良くない地域で、音楽を志す悪ガキグループが、幾度かの苦難やメンバーの入れ替えを得て成り上がる話。
登場人物が自らの心情やあらすじをメタ的に紹介するスタイル。
ごめんなさい。正直に申し上げると、前半は少し退屈だった。
それほど大きな動きがある訳じゃないし、どちらかと言えば登場人物の動きに少し嫌な気にもなった。良い意味じゃなく。
もっとミュージカルっぽい作りになっているのかと思いきや、音楽は効果的に使われているだけで、ミュージカルとは少し違う。
監督が好きなだけに期待が高すぎてしまったかと思っていたら、中盤からの展開は流石です。
失礼致しました。
知っている歌も多く出てきて楽しかった。
終盤に関しては、こういう伝記的な映画だと良くあるけれど、売れたからこその苦悩。私には真似できないやつね。
ラストは凄く良かったです。

劇中歌は、聞いた事がある曲が多かったけれど、やはり一番は「君の瞳に恋してる」かな。
ボーイズタウンギャングのバージョンの方が印象深いが、やはり良い曲はいつの時代に聴いても良いです。
前後の展開も含めて、これはただの愛の歌じゃ無いのかななんて深読みしてしまうしね。
私は基本的に映画は、制作側の意図の外にあっても良いと思っていて、例えばこういうつもりで作りましたと監督や脚本家が言っていたとしても、その映画を観て自分が感じた価値観や感覚で良いと思っている。
勿論、だからと言って元々の意図は大切だと思うし、それも加味した上での事ではあるけど。
だからこそ、こういう場で様々な意見や感じ方を観て、それが一つの楽しみにもなっているんです。
というわけで、今夜は「君の瞳に恋してる」を聴きながら子供達を抱きしめて寝よう。
ゆずきよ

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