リタ

ジャージー・ボーイズのリタのネタバレレビュー・内容・結末

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ブリティッシュインベージョンの最中、
生き残ったアメリカンポップス勢は
モータウン、ビーチボーイズ、
そしてフォーシーズンズだけだった。

って事くらいしかフォーシーズンズを知らなかったが
50年代初めから活動してたんだ。

ビーチボーイズとかビートルズとかに比べると
結構年齢層上の人達だったんだな。
若者文化が花開いた60年代に
オジサンが売れ続けてたのだよね、すごいなぁ


見ていて後半の年代がよくわからなかったので
調べたら
ヴァリがcan't take my eyes off youを
リリースしたのが1967年、

末娘のフランシーンが亡くなったのが1980年
…?

娘を亡くしたヴァリを励ますために
作曲家が渡したラブソングがあの名曲でした、
って感じの演出だったよね。
なんでこんな改変するんだろう?冷めるわ…


この曲リリース当時やや落ち目っぽい描写だったのは
グループの内部分裂が原因というよりは
やはりイギリスの侵攻を喰らっているのかな
と思ったけどビートルズのビの字も無かったね


手元にエドサリヴァンショーのDVDがあって
大人の女は泣かない〜♪
での出演が収録されてるのを再鑑賞したが
劇中みたいにハキハキ踊ってなかった笑

あのダンスカッコ良かったのにな。
実際にはあんなに踊ってなかったのかもね。


クリストファーウォーケンもまた良い役で
相変わらず素敵でしたが

トミー?がカッコ良かったなー
前半はヴァリの才能を信じて支援する、
世渡り上手の兄ちゃんって感じだったのに
ホテルのタオルからの唐突な不潔バッシングに吹いた

この原作書いた人、
トミーのことめっちゃ嫌いじゃんって思った笑


調べてみたらトミーの親族は
後半の描写にショック受けたらしい。
涙流して悔しがったとか。

トミー自身は俺は誰より綺麗好きだよ、
と付け加えつつも
映画の内容には特別文句言ってないらしく
実物、心の広い男だなと思った。


トミーの莫大な借金の大半は浪費だったろうけど
グループへの投資的意味合いで負った借金が
きっかけだったと言えるし
気付いていたくせに止めなかった周りも
トミーだけを責められないよなと思う

多分トミーは調子乗った、
男から見たらいけすかない奴だったんだろうなー
そんで言っても聞かないタイプと思われてそう。



この映画、というかミュージカルの原作に
ヴァリが中心になって関わってたとしたら

かなり自分を美化してるんじゃないかとか
ちょっとうがって見てしまった
あんまり主人公が好きになれなかった

マフィアとズブズブだったくせに天使ぶって
知ってて強盗に手を貸したのに
裁判では庇われて本当のことを言わないまま

奥さんに罪を着せて不倫を正当化してるし
娘の面倒見ないけど本当は俺に懐いてる描写を加え
挙句アホのメンバーの借金も肩代わりしてやった
良いやつの俺、、みたいに見えた


不倫相手が別れ際まさに「聖人気取り?」
と言ってたがスカッとしたわ
ヴァリが誰のことも大切に出来てなくて
見ていてモヤモヤしてた

彼自身が幸せだったのは
彼の歌声に惚れ込んだ作曲家の援助のおかげだったよ


59年にウォーホルの缶の絵が飾られてて
時代考証がやや甘いのも気になったし
(細かいけどでもポップカルチャー映画なら
ポップカルチャーについてはちゃんとして欲しい)

個人的には期待したほどいい映画では無かった。
いろいろ知れて勉強にはなったけど。


タモリ倶楽部のお尻の曲と君の瞳に恋してるが
同じ作曲者だったとは!
あと
そんな天才作曲家をフォーシーズンズに紹介したのが
なんとジョーペシだったとは…!

ジョーペシの役の人むっちゃ可愛かった。

冒頭のトミーのこっち向きの語りから
スコセッシぽかったけど、
ジョーペシが出てくるための
伏線だったんじゃないかって感じだわ(ないか)


ブリルビルディングのアイドルグループも
マフィアの息がかかってたんだなぁ
という闇エピソードを知れたのも勉強になった。
というかメンバーがマフィアか笑


ラスト、
奥さんと不倫相手を両脇に携え踊るヴァリを見て
イーストウッドはなんか言いたげなのか?と。

監督がイーストウッドじゃなけりゃ
あっけらかんとした演出だな笑〜なんだけど。。

この人の監督映画は数本見ただけだが
いつも後味悪い。
この映画も意外と例外では無かった


チラッと映ったイーストウッド、改めて顔がいい。
リタ

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