現れる小林

ゴーン・ガールの現れる小林のレビュー・感想・評価

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
5.0
5.0つけるほど面白かったっけ?と思って数年ぶりに見返したがやはりめちゃめちゃ面白い

妻が仕掛けた巧妙な計画の緻密さを余すことなく伝えながらも、ストーリーが分かりにくくならず、初めて見た段階で全てを理解できるようにしてあるところが見事だ。頭に疑問符が浮かんだままだと感情が置いてけぼりになってしまう。これが私がクリストファーノーランよりデヴィッドフィンチャーが好きな理由である。(もちろんノーラン映画も素晴らしいのだが、字幕で見る外国人が一回で理解できるようには作られていないため、自分の中に浮かんだ感想にすら疑心暗鬼になってしまう。)

ニックのキャラクターに非常にリアリティがあるし、ちょっとしたことによる世間の手のひらの返しようも現実そのものだ。

ただ米国のテレビ番組に関しては本物をあまり見ないのでどの程度リアルなのかわからない。切れ者の社会派女性キャスターみたいなのが出てくる印象は確かにあるけど、ああやって一般人を取り沙汰して犯罪者や異常者と決めつけたり、逆に称賛したりするのだろうか。あの描写はどの程度誇張されたものなんだろうか

そして何よりエイミーが怖い。

終始不穏な展開なのに映像は綺麗。

色々な魅力に溢れた映画である。