愛

ゴーン・ガールの愛のレビュー・感想・評価

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
3.9
制御不能なアンビバレンスは、希薄なコミュニケーションの元では支配欲へと化ける。

"I loved you and then all we did was resent each other, try to control each other. We caused each other pain."
"That's marriage."

自分の結婚観に自信がない(結婚離婚2回ずつにつき)にも関わらず、いやだからこそ?つい結婚生活のリアルを描いた物語について書き残したくなってしまう。

かつて「相手を思いやる」と「相手の都合の良いように演じる」は紙一重で、後者はその自意識に気付く頃にはすでに人格が壊れ始めていた、という経験がある。完璧に見える欺瞞も広げてみれば綻びだらけ。
夫婦間でも社会でも「擬態を続け配役と台本を守り"フリ"を続けていればそれはいつか事実になる」というのもあながち間違いではないけれど、数え切れない棄却と断念を伴う。トゥルーマン・ショーには必ず終わりがあるのだ。

大衆の愚かさやメディアの影響力についてもわかりやすく提示しているけれど、エイミーのマーケティング力に脱帽……(いや、こわすぎ)

そういえば "Blue Valentine", "Marriage Story" はこちらに残したけど "Kramer vs. Kramer" はまだ書いていなかった。
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