ぽん

ゴーン・ガールのぽんのネタバレレビュー・内容・結末

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

最後の最後まで見て本気で吐きそうになった。
夫婦という形がまざまざまざまざと。
結婚してから、考え方が色々と変わり、他者と家族になることとは、最も信用していた人に裏切られることとは、それを一生かかっても恨み続ける自分と、それでも再構築を望む自分との矛盾を経験して、ゴーンガールを今見なければいけないと思い立って見た。
いいタイミングだったし、最悪のタイミングだった気がする。
でも昔なら、ありえないけど、風刺の効いた映画だと、フィクションとして捉えてエンタメとして楽しんだと思うけれど、今は自分と家族をそこに置き換えて見ていることに気づいた。
ありえないけど、ありえなくない。

ニックのクソ男が垣間見える前半から、エイミーのどんどん狂気じみた本性が見えてくる後半、2人の立場が逆転するというよりも、同じ土俵に立ち始める構成が、綺麗だった。時系列も整然としていて分かりやすい。ほとんど表情に出さない夫婦が奇妙だったけど、仮面夫婦ということになれば、こちらの方がしっくりくる。不気味だけど、たぶん彼らはそうやって生きていく以外、もう道はない。
こういう映画を見ていると、いつの間にか自分も禁止用語を使いながら見てしまう。じっくり入り込んでいる証拠のような気がして、1人の映画鑑賞の時だけはそれに身を任せる。
ぽん

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