Roxy

ゴーン・ガールのRoxyのレビュー・感想・評価

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
5.0
コントロールフリークのお話

小説を先に読みましたが、凄いページ数です。速読気味の自分も完読に1週間かかりました。小説で細かく描写されていた登場人物の性格や心理を、映画で表現するのは至難の技だったと思います。なので映画では妻エイミーの空恐ろしさがやや薄まり、高い知能を駆使して夫の不貞を懲らしめる妻の話にまとまってしまったのは無理からぬ事かもしれません。

マインドコントロールの果ての監禁致死事件が度々報道されますが、多分被害者はこういった心理状態に置かれ、雁字搦めになっていくのではないでしょうか。サイコパス、ソシオパス…他人を支配することに悦びを感じる人間は、支配できる人間を嗅ぎ分ける動物的嗅覚を持っています。フィクションとはいえ、夫ニックと生まれてくる子供の行く末が気になって仕方ありません。

小説では、冤罪で最悪死刑判決を食らいかねない状況に陥ったニックが、追い詰められて徐々に反撃していく様子が見事に描かれていましたが、映画ではずっと妻に出し抜かれてばかりだったのが残念でした。
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