このレビューはネタバレを含みます
三択クイズです。この映画は次のどれに当てはまる?
Aサイコもの
B女は怖いよ
C心の闇
答えはA×B×C△
一本で何度でも美味しい作品とは、こんな映画と言えるのではと思います。何故ならこの作品には原作が有り、またそれが全米でベストセラーになっているとのことですからこれを読む楽しみがあります。
また、映画の脚本を原作者のギリアン・フリンが書いているとのことで、原作との違いを楽しむことが出来るわけです。
そして、極めつけはこの原作には実際に起こった米国での妻殺しの殺人事件がモデルになっていることです。
その事件は2002年12月24日に起った「スコット・ピーターソン事件」
妻殺しの罪で現在服役中という1972年生まれのスコット・ピーターソンの写真がネット上に掲載されているのを見て、アッと驚いたのは主演のベン・アフレックに良く似ていたから。
この事件では、妻の遺体が河から発見されて夫の容疑は固まり刑が確定し収監されたとのことだが、現在も彼自身は無罪を主張しているとのことです。
そして肝心の映画本編としても「白いドレスの女」か、はたまた「氷の微笑」かと映画評も喧しく大いに楽しめます。
冒頭の三択クイズは主人公エイミーの趣味でもあるのですが、原作では大都会ニューヨークと田舎のミズーリ州の暮らしの違い、寂れたショッピングモールやアルツハイマーの老父、リーマンショックや電子書籍の興隆による主人公夫婦の失職等詳細な記述があるとのことです。
夫婦は極めて社会的な存在である訳だから、これらの現代の世の中の動きの只中を生き抜いて行くことが存在意義なのでしょう。
どんな形でも生き残る事こそが最優先の目的の現代社会であれば、夫婦という共犯関係も武器として使いきる新しい冷戦の時代から、誰もが逃れることが出来ないことこそが恐怖の源かも知れません。
貴方も私も・・・・