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天才スピヴェットのmuscleのレビュー・感想・評価

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
5.0
アメリカを横断する映画をアメリカで撮影せずに撮ってしまう出鱈目さ。ギャスパー・ノエ並みに3Dマナーを守ろうとするジュネ。もうゴリゴリだよって言ってこれ以降本当に3Dを撮ってないけれど、それ故か3Dのやり残しがない。平面的な列車移動を主人公の飛び出し妄想と共に見せ切る。リュミエールよりもメリエス的な…? 日本だけでなくアメリカでも3D上映がぜんぜんされなかったらしい。3D映画が2Dで消費されてしまう問題は映画監督の興行への権限の無さを考えてしまうし、たとえばいわゆるノーランとかキューブリックとか完璧主義的だと言われているような人々が3D映画に手を出していないのもなんか考えさせられる。


ヘレナ・ボナム=カーターの大竹しのぶ感が尋常じゃない。ラストがまじで邦画っぽいシャバさでビビるんだけどビューマスターの中に入っていくエンディングは3000000点。ロドリゲスは『スパイキッズ3D』で似たようなことやってたけど、正直最近のジュネはロドリゲスと同じガキ向け職人監督になってるようでなりきれてないイメージ。
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