監督がアメリカ嫌いだから銃社会が悪いって言ってるとか
へんてこりんな感想を目にして項垂れたりもするんですが、
そういった政治的な邪推は全部抜きにして素直に良作です。
栄誉ある賞を獲得した主人公が受賞パーティに参加するため
大都会へのひとり旅を敢行するんですが
頭脳明晰でも中身は子供ですから、
その道中はトム・ソーヤのような冒険譚なんですよね。
弟の死を境に微妙な距離ができてしまった両親との糸が
旅を完遂することで今一度結び直すことができるんじゃないか。
スピヴェットがたった独りで旅に出た背景には
そんなささやかで純粋な決意もあったのかもしれません。
ジュネ監督らしい映像と素晴らしい音楽。
3Dで見れなかったのは残念ですが、
公開後に改めて劇場で体験してきたいと思います。
試写で見せていただいたからとか、
そういうことを抜きにしてお薦めです。
