どらこ

天才スピヴェットのどらこのレビュー・感想・評価

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
4.1
家に置いときたい映画。素晴らしかったの一言。

ほのぼの映画と思いきや意外と暗い部分もあり、
いくら天才的頭脳を持つ少年とはいえそこ以外は何の変哲も無い、心も体も無垢な子どもなのだ。
「僕は愛されていない」「弟の代わりに過ぎない」。そんな寂しさが冒頭から溢れかえっており、美しい大自然もそんな彼の孤独を後押しするような印象を受けた。とにかく寂しくなる。

中盤、TSは遠く離れたワシントンDCに行くのだが、子どもが一人で電車を乗り継いで行くにはあまりにも遠く、果てしない不安を煽る。
ちゃんとお金持って正規ルートで行くのかなーと思いきや、出だしから無人貨物列車にクレーンから飛び乗るのだから、普通に頭がおかしい子だったww

そこからはもう俺ワクワクしっぱなし。荷台に乗って大自然見て、ノスタルジックに浸って、自分を見つめて、秘密基地(キャンピングカー)見つけて、夜食買って...なんだろう、すごく楽しそうなんだよね〜子どもの頃の冒険心を思い出した気がする。

永久機関装置を発明した件や過程は全くなく、冒頭からすでに完成しており、後々受賞するのだが、それも「家族愛」というテーマのスパイスに過ぎない。そこがまたいい。

結局TSが一番欲しかったのは、永久機関装置でもなく、賞でもなく、家族との愛だったわけです。
本当にいい映画でした。

あんな大自然で幼少期を過ごしたかったです(半ギレ)
どらこ

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