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白鯨との闘いのねるねるのレビュー・感想・評価

白鯨との闘い(2015年製作の映画)
3.5
『白鯨』のモデルになった捕鯨船エセックス号の沈没事故を映画化。『白鯨』の映画化じゃなかった。邦題ややこしい。

前半、捕鯨船の描写が面白く目が離せない。帆船用語、捕鯨の目的が肉より油、知らない事だらけ。「煙突が燃えたぞ!」鯨が血を吹き上げることをそう言うのか。群がるサメを追い払いながら船上で鯨油を採取する様子にも見入った。脳油を汲む様がスゴイのだ。

白鯨との闘いは少なめで、90日にも及ぶ壮絶な漂流がメイン。力尽きて死ぬならまだまし、くじ引きの意味を理解した時には絶句。
これほどの危険を冒す価値があった鯨油。最後の会話で「石油」に触れ、時代の変化を匂わすのは巧い。

映像はどのシーンもリアルで迫力があった。面白く観たワリには何故かあまり残らない。人物描写も関係性も希薄だったからか。キリアン・マーフィも他の役者でも良くない?というくらい出番が少なかった。
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