せーや

ジャッジ 裁かれる判事のせーやのレビュー・感想・評価

ジャッジ 裁かれる判事(2014年製作の映画)
4.3
なぜ映画の主人公は
たいてい離婚の危機にあるんだろうか。

シカゴで弁護士を勤めるハンク・パルマーは
有罪の者でも無罪にしてしまう有能弁護士。
大金を稼ぎ、人生を順調に送っている中、彼の父であるジョセフ・パルマー判事が、ひき逃げの容疑で逮捕されてしまう。

サスペンスを織り込んだ
重厚なヒューマンドラマ。

正義に目をくれず、金のために弁護をする超やり手弁護士と
正義のために42年もの間、判決を言い渡してきた判事。

父と子の確執、そして判事と弁護士の正義。

弁護士っていうのは
なかなか大変な職業ですよね。
そいつが有罪であるのはわかっているのに
弁護をしなければならないなんて。
どっかで割りきらないといけないんでしょう。

弁護士ハンクと判事ジョセフは
この親にしてこの子あり、といった感じ。
ふたりはとてもよく似ていました。

頑固なところ、
自分の確固たる信念があるところ、
饒舌なところ。

自分以上に頑固な父を
弁護しなければならなくなった息子。

「父は本当に人をひいたのか?」
「父は何を隠しているのか?」
というミステリー要素も含めながら
「父と息子」という、誰にでもあてはまる、
シンプルに見えて難しい関係を描いていきます。

感情を見せない父と息子が
次第に過去を振り返りながら
感情を露にしていく姿に
涙腺を刺激されます。

父の本当の想い
息子の本当の想い

家族はいつまでたっても家族だし
どうやったって完全には切り離せない。

最近のRDJのイメージである
ナルシストな感じをしっかりと出しつつ(笑)、
泣かせる演技を見せてくれます。
やっぱりこの人は、すごいですね。

そして大御所ロバート・デュバル。
ゴッドファーザーで弁護士を演じた彼が
再び法曹界に帰ってきました。
老いた男の情けない姿を体当たりで見せてくれる。
一方で、鋭い眼光をひからせる演技も見もの。

名優ふたりの演技を堪能でき
親子の関係を改めて考えさせられる
素晴らしい名作でした。
せーや

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