おおもりみどりの日

リトルプリンス 星の王子さまと私のおおもりみどりの日のレビュー・感想・評価

4.0
『星の王子様』が大好きなので、原作をベースにした作品は
なかなか受け入れられないものもあるのですが、本作はよかった!

まず、テンポ感がいい。
作品の世界観に冒頭から興味を惹かれて、もっと見たいと思える。

主人公の女の子が受験戦争やライフプランに沿った過ごし方を母親から押し付けられるなど、設定が現代的なので入り込みやすかったです。

原作の世界観のままの色彩や、アニメーションのレトロな感じが
現代と原作の融合がきちんとされていて違和感なく観られました。
原作で登場したキャラクターたちが、現代につながっているところも面白い。

王子様が、昔のことを忘れてしまって、いち労働者になっている姿は
悲しいものもありましたが、
それこそが子どもの頃は持っていた忘れてはいけない大切なものを
大人になる過程で失ってしまうということが表現されているようでよかったです。

「本当に大切なものは目に見えないんだよ」という言葉が、
原作では一番ぴかりと光っていたと思うのですが、
映画では、「問題は大人になることじゃない、 忘れることだ」という言葉が一番飲料的でした。

いつの世も先のことは分からないですが、
女の子にとっては、お母さんが示すライフプランに従った方が幸せなのか、
幸せとは何か…ということも考えてしまいました 。

忘れることとは、考えなくなるということでもあると思うので、大人になるにつれて、”楽だから”、”得だから”、”役に立つから”というような生産性にかかわることばかり優先させてしまうと、本質的なことは考えなくなって、忘れてしまうのかな…とも思いました。