Otun

シネマ歌舞伎 野田版 研辰の討たれのOtunのレビュー・感想・評価

4.5
映画じゃないんです。シネマ歌舞伎。再見。
ただ、ワタクシ、中村勘三郎さんが大好きでして。
未だに、亡くなったなんて信じられないほど、あの方の舞台での輝きが忘れられません。
舞台に出てきたら本当に『待ってましたぁ!』となる方だったんです。きら星の如く輝く他の歌舞伎役者の皆さんも、中村勘三郎さんがいざ舞台に出て来ると、「勘三郎さんとそれ以外の役者」、となるんです。もう、不思議です笑。なんだあれ。
役者とか俳優の、「華」と言う抽象的なものが実際にあるとして、そんな意味で、なんだかそいつが実感できる稀有な作品だと思います。
物語も演出も、当時の歌舞伎としては相当に挑戦的な、革新的な『遊び心』が散りばめられていて、中村勘三郎さんと、演出の野田秀樹さんの覚悟がひしひしと感じられます。
そして、こちら、例え歌舞伎を観たことがなくても楽しめるエンターテイメントな舞台の映像化だと思います。
久しぶりに観ましたが、やっぱり勘三郎さんはむちゃくちゃキラキラして、『化けて出てこいっ』←パンドラの鐘の引用で弔辞の野田さんの言葉、が頭をよぎりました。
改めて、合掌。
『研辰の討たれ』。
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