April01

プロミスト・ランドのApril01のレビュー・感想・評価

プロミスト・ランド(2012年製作の映画)
3.4
ペンシルバニア州の牧場経営を代々受け継ぐ町にマット・ディモン演じるエネルギー会社営業マンがフランシス・マクドーマンド演じる同僚と共に売り込みにやってくる、そこからストーリーが始まる。
この脚本には、1つだけ直した方が良いと思う点がある。
家族経営の牧場を営む地域性を描くためにローズマリー・デウィット演じる教師が登場し、彼女の置かれているポジションがその地域性の象徴となっているのだけれど、彼女との恋愛が予定調和すぎてなじめない。なぜそうまでゴリ押しして絡める必要があるのか最後まで理解できないまま。
しかもそこにジョン・クラシンスキー演じる曲者までが彼女との恋仲に絡んでくると言うメチャクチャな展開。
恋愛要素をなくすか、あってももう少しさり気なく挿入し、ラストに関わらない形にした方が良い余韻を残せたし、社会派ドラマとしてシャープな切れ味を持てたのに、と残念な気がする。

一方でドライな子持ちシングルのやり手ビジネスウーマンとして最後までそのドライさを貫くフランシス・マクドーマンドの演技にはリアリティがあり、地元の男性といい雰囲気になっても、あっさり離れていくサバサバした態度の裏には、ウェットな感情を抑える裏の気持ちが想像されてとても深い演出で心に残る。

色んな作品で脇役で出演されているハル・ホルブルックさんは、ローカルを代表する知的な家庭人の役柄で本作でも存在感を発揮している。
昨年ご逝去され、目力のある印象に残る俳優さんだなと改めて寂しい気持ちに。多くの作品で覚えています。ご冥福をお祈りします。
April01

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