まる

フランシス・ハのまるのネタバレレビュー・内容・結末

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

終盤からよかった。
基本的にずっと見るに耐えない性格だったけど、音楽やモノクロ映像のおかげで重苦しくなかった。

フランシスは客観視があまりできてなくて、完璧主義の頑固で、見てる世界が狭くて、独りよがりに思った。
こうでなきゃ!って決めつけて、それを達成するために奔走するけど、そもそもの目標が完璧すぎるから空回って苦戦してた。
もっと肩の力抜いて、周りに頼ったり甘えながら、進んでもいいんだなと思った。
一流ダンサーになるのが夢だったけど、それを叶えるためのルートは多種多様だから、一旦声かけてもらった所から駒を進めていくことで、"できること"の中から才能を見つけ出せるんだな。

ソフィーとの友情は、恋愛とか執着とか依存に片足突っ込んでるように見えた。
あまりにも多くの時間や体験を共有してきたからこそだと思うけど、ソフィーとの境界線が曖昧で、フランシスからしたらソフィーが自分の一部のようになってた。
だから、ソフィーの人生にまで首突っ込んで文句言ってフランシスと一緒にいさせようとしてた。
フランシスは、2人の人生のベクトルが同じであると思い込んでるようだった。
でもソフィーは結婚や退職とかで自分のベクトルを持ってる。
それに気づいてないようだった。
ソフィーとフランシスはたぶん相性が良すぎたんだと思う。笑いのツボとか。
ぴったりすぎて2人でいれば満足で、他の世界を見る必要がなかったんだと思う。
だからフランシスは、他の人といると世間知らずな感じになってた。
同じ空間にいたら、付き合いにくい人だと感じると思う。
フランシスが頑張って仲良くなろうとしてるのは伝わるけど、仲良くなりたいとは思えないかな。

ソフィー・パッチと大喧嘩して、ソフィーが退職しめパッチと東京に住むことや、婚約したことを知らされなかったシーンは寂しかった。
でもたぶん、ソフィーからしたら、言ったらまた文句言われて喧嘩しそうだと思ったんだろうな。
電話口で、フランシスがパリにいると言わなかったのも、自立のステップだったのかも。
現在地や起こったことや感情などを何でもかんでもシェアしないこと。

パリ旅行から風向きが変わって、ソフィーとの世界から自分の足で踏み出して自立していくのが良かった。
何事も、自分次第なんだな。
チャンスを掴むのか、夢に固執するのか。

フランシス・ハが今後のペンネームになっていったりするのかな。
無計画に走って、はみ出た部分は折り返したり戻ったりして完成していくし、結果的にそれがなんかいい感じになってたりするのかも。

ベンジーともいい感じになりそうだった。
パリ旅行前の食事会で言ってた、フランシスが愛に求めるものって、ステージ終わりのソフィーとの目配せに詰まってると思った。

パリ旅行までは見ててキツかったけど、今の自分と重なる部分も多かったから、フランシスを見習おうと思った。
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