Teriyaki88

フランシス・ハのTeriyaki88のレビュー・感想・評価

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
4.0
印象記録



芸術性と見やすさを両立した秀作。
いわゆる芸術映画然としたものは見た目の印象よりもかなり薄め。
イージーな気分で楽しめつつ、余韻もじわりと残る。サラッと進むようなライトなテンポ感と、肝心なポイントに奥行きをもたせた構成は見事。

ほぼ全体に渡ってキャラクターの行動とリアクションの推進力だけで、映画を作りきるのはかなり難易度が高い。


主人公の孤独や戸惑いと成長や、親友との友情の危うさやもろさと思いやる気持ちなど様々な側面を、重くなりすぎず、軽すぎないバランスでリアルに描いた。

不器用に自分らしく生きる大人の女性が成長する姿は、痛々しくも微笑ましい。
親友から取り残されたような感情から、不器用さが拍車をかけて、少しづつ落ちていく主人公が、親友との友情を再度見つけた後、ほんのすこしだけ生き方が変わる様のさじ加減が絶妙。


グレタ・ガーウィク? / 4.2 小さい表現を積み重ねて様々な側面を見せながら、しっかりキャラクターの背景までも表現した。