夕

フランシス・ハの夕のレビュー・感想・評価

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
4.5
見栄を張ってつくった「こうありたい自分」の虚像と現実に象られた「そうなれない自分」の実像が、四コマ漫画を繋げていったような目まぐるしい切り替わりの中で近づいたり遠ざかったりする
ラストシーンの発表会も住む家が見つかったことも、映画としての落とし所のようには映るけども、やはりあくまでそんな人生の途上であるのだ、とぼんやり思う
「汚れた血」のオマージュだったり室内喫煙のくだりだったりから古い映画への愛がそこかしこに散りばめられてるように見受けるけど全然古臭い、懐古的な映画に見えるわけではない、それらの演出はあくまで作品の背景的なパーツの一部として留まってる感じでそこがすごく良かった
そういう憧れに耽溺しすぎると現実的な生活への説得力は薄まっていってしまうのかもしれない
「非モテ」扱いされてたけどここまで教養を嫌味なく表現できる女性に魅力がないわけがないよな
夕