A8

フランシス・ハのA8のレビュー・感想・評価

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
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走る、走る、走る、、騒がしい20代という若さを駆け抜けていく。

フランシスはニューヨークに住むダンサー(研究員)で団員を目指しているがここ今ひとつ芽が出ない。プライベートでは彼氏とも別れ、一方的な依存関係にある親友ともルームメイトを解消することになる。
そんなことはないと心では分かりつつも、毎日が楽しく永遠に惰性と刹那的と夢を描ける日々に傾いていた。そしてみんなきっとそうだと思っていたのだ。
だがしかし、親友は結婚へ、ルームメイトは仕事での成功、そしてダンサーじゃなくて事務所として働かないかという誘い、、追い打ちをかけるように現実が無慈悲に襲ってくるのであった。
そんな中パリへ旅をすることに、それを契機に彼女は現実を受け入れて新しい一歩を踏み出そうとする。

夢と現実を割り切らないと行けなくなるのは何歳までという決まりはないからこそ、人は気づけば周りに乗り遅れるとか、焦りや今の自分を受け入れたくない気持ちになるのだろう。無理やり受け入れたって本心はまだ“若い”を楽しみたいだろうし、夢を追いかけたいであろう。夢を追いかけるということは自由だし、生きている上でこの上ない幸せなことに違いない。その代わりレールを外れるなりに責任というものが必要になるだろう。現実と夢の絶妙な時期を感性豊かに且つモノクロで一つ一つのセリフや描写を繊細に描かれていた作品であった。

夢は麻薬だ。
A8

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