fujisan

監視者たちのfujisanのレビュー・感想・評価

監視者たち(2013年製作の映画)
3.7
私は新大阪駅の駅弁コーナーで頭を悩ませていた。

とりあえず第一候補は彩りも豊かな季節の幕の内弁当。最近食べ過ぎだし栄養も偏っているしな。ん~いや、待てよ?この御飯の上に牛肉のしぐれ煮が乗った牛肉弁当も捨てがたい。ていうか、本音としてはこっちのほうが食べたい。

悩むこと5分。先日受けた健康診断の結果も気になっていた私は、季節の幕の内弁当を手に新幹線のホームに立っていた。

新大阪から品川までは二時間ちょっと。中断されるのが嫌なので、名古屋を過ぎてから弁当を食べるのがルーチーン。そう、元々、好きなものは最後に食べる派の私。弁当内のターゲットは、銀だらの焼き物なのだ。

タケノコの煮付けやかまぼこ、季節の野菜の煮物に進み、いざ銀だら!と思った瞬間、携帯に電話が。極度の電話嫌いでもある私。徹底無視を決め込むも気になって弁当に集中できず、先に済ませるべくデッキで電話に出たのが運の尽き。

『あの資料、今すぐ送ってよ。Wi-Fiあるでしょ』

・・・さっきまでの楽しかった食事タイムは吹っ飛び、いきなり現実モードへ。新幹線はすでに静岡を過ぎており、泣く泣く銀だらを味わうことなくかっ込み、いそいそと鞄からノートPCを取り出すのだった・・・



すいません。あまりのショックに、つい関係ないことから書き始めてしまいました。。。

ということで、本作「監視者たち」。

2013年の韓国アクション映画で、現在アマプラ無料視聴可能になっています。

映画のプロットそのものは天才リーダー率いる犯罪チーム VS それを追う特殊警察チームの戦いというありふれたものですが、

犯罪チーム側リーダーに肩幅広いイケメン大物俳優のチョン・ウソン、警察側で特殊な記憶能力を持つ新入り女性警官に不思議な透明感がある女優ハン・ヒョジュ、その他大物俳優多数という豪華な映画。

本作の評価は高く、私もとても面白く観ることが出来たのですが、理由はいくつかあったと思います。

□ 監視カメラ大国の韓国
本作のタイトル「監視者」。警察側は街中に大量に設置された監視カメラの映像をスイッチしながら現場にいる捜査員にインカムで指示するのですが、多くのモニターが整然と並ぶ監視センターは壮観です。

□ チームバトル
本作は登場人物がかなり多い作品で、一人をチームで追うのではなく、チーム対チームの戦いを描いたスケールの大きな作品。大きなチェス盤の上で駒を進め、互いに先を読みながら戦うかのような頭脳戦の面白さがあります。

□ 迫力のあるアクションシーン
今や世界トップクラスの韓国アクションを、手持ちカメラで撮った臨場感溢れる映像や、望遠鏡から見た映像へそのままズームしたり、鳥の目からのような空撮に移行したりと、凝ったカメラワークでスタイリッシュに見せてくれます。

□ 戦略アクションのみにフォーカスした一点突破映画
こういった映画によくあるパターン。
ベッドで目覚めた主人公が奥さんにキスをして警察に出勤し、同僚と悪ふざけ。そうこうしていると緊急通報が入り、慌てて飛び出していく〜みたいなパターン。これ、この映画には一切ありません。

ミッション・インポッシブルのような緊迫感ある尾行シーン、犯罪者集団による銀行襲撃からのカーチェイス、作戦司令室での緊迫したやり取り、、この映画は人物や組織の背景描写やラブストーリーなどをバッサリとカットし、『こういうの好きでしょ?』っていうシーンだけで構成した、かなり思い切った映画でした。

頭から尻尾まであんこが詰まったタイ焼きならぬ、頭から尻尾まで金箔アクションが詰まった、全部盛りムービー。


『コース料理やない、焼肉や、焼肉行くで!』

そんなアクション全部盛り映画を見つつ、次は牛肉弁当を選ぼうと固く心に誓った私なのでした。




2023年 Mark!した映画:349本
うち、4以上を付けたのは40本 → プロフィールに書きました
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