芦塚あきひろ

アントマンの芦塚あきひろのレビュー・感想・評価

アントマン(2015年製作の映画)
4.6
MCUの振り返りもスムーズに進んで、アントマンまで来た。
2回目もすげえ面白く見た。
MCUの本道の物語がだんたん深刻さを増していく中で、肩の力が抜けた作品を用意する姿勢が素敵。

主人公は、これまでのアベンジャーズのヒーローたちの中で、一番親近感がわくヒーロー像。
それでも何気に高い専門性を身に着けた人ではあるけれど、冗談好きでボンクラな好人物である。演じているポール・ラッドも良い。コメディ演技に余裕がある。

マイケル・ダグラスという非常にしっかりした俳優が先代を演じているのは大きい。物語に厚みが加わる。

マイケル・ペーニャと泥棒仲間も最高だ。マイケル・ペーニャが、自身の釈放後のキツい現実をこれ以上なくサラっと開示し、それでもカラっと笑って見せるところが好きだ。なんてナイスガイなんだ。
マイケル・ペーニャはどの作品で見ても信用できる楽しい男を演じていて偉すぎるのだ。彼が盗みに入る家の情報の出所を話しているうちにわけが分からなくなるくだりは笑った。

子役も素晴らしいな。歯が抜けてるのがいいし、振る舞いが実に自然だ。ああいうところにこだわって演出するのは、今ではある程度の規模の映像作品では当たり前とは思うが、やっぱり偉い。

そしてアクションが最高。最初に縮んだ時のジェットコースター的なスリルと初めて見る縮小した世界。ちょっと蛇口をひねっただけで洪水が起きる。もっとずっと見ていたいくらいだった。
ラスト近くにある、ミクロの先にある世界を垣間見るところも大好物。これは続編の『アントマン&ワスプ』でたっぷり見られる。

蟻との共闘も好きだった。虫が味方といったら『ナルト』にそういうキャラが出てきていたが、そんなに活躍しないし、虫をガンガン犠牲にしていくタイプだったような気がするので、アントマンの蟻使いはそれよりはホワイトに思える。見せてないだけでたくさん死んでそうな気はするけど。蟻を守るために体を張るような展開があっても良かったかもしれない。

敵のイエロージャケットの方がカッコいいかもしれない問題はあるが、鞄の中や子ども部屋できかんしゃトーマスに乗って戦うくだりも超楽しいし、基本的に褒めるところまみれ。
2度めの鑑賞で、より好きな作品になった。
芦塚あきひろ

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