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ウォーリアーのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

ウォーリアー(2011年製作の映画)
4.9


“愛してる タップしろ!”




素晴らしい!!!
なんてシンプルで熱く愛に満ち溢れた格闘技映画なんだろう、、、


【ロッキー】よりも好きだわ。


単なる格闘技モノでも無ければ、有りがちな親子の再生物語でも無く、ましてや兄弟喧嘩のご都合主義ストーリーなどでもない!

それぞれ背負った愛すべき者たちの為に、己の全てを懸けて戦う漢と漢の壮絶なぶつかり合いは、極上のヒューマンドラマとしも存分に堪能出来る傑作!


【48時間】のニック・ノルティ演じる父親像が、とても切なく悲哀と後悔に苛まれている名演技で、何ともやるせない程グッとくる。
流石、本作でアカデミー助演賞にノミネートされたのも納得。


【マッド・マックス 怒りのデスロード】のトム・ハーディ演じる弟が抱える父親への怒り、そしてPTSDによる自分への怒りと贖罪とも言える覚悟の試合は、圧倒的な孤独感と内に秘める哀しみがオクタゴンケージの中で感情を爆発させる事によって鑑賞側の胸アツ感を誘い、グイグイと惹きつけられ涙が込み上げてくる。
あの役作り、そして筋肉は脱帽。


【ザ・ギフト】のジョエル・エドガートンのいぶし銀感と、愛する妻と子の為に全力、いや、全力以上の神がかり的なアビリティを発揮するミラクルな展開は、いみじくもご都合主義なアメリカンドリームを実にシンプル且つ直球に演じてくれているので、決してシラける事なくクライマックスまで惹きつけられるし素直に感動させてくれるのでこれまた見事としか言いようがない!
妻役のジェニファー・モリソンの愛する夫を見守り、そして体全体で喜ぶ姿もまた胸がキュンとなり、一層の感動を引き立ててくれている。



MMAを知ってると本作を何十倍も楽しめるし、試合展開含めて、“有り得なくはない話よね”という目線で楽しめるのがまた良く練られた作品だなぁと。
言ってみれば【ロッキー】よりもリアリティ溢れる格闘技モノの映画であると共に、感情移入や共感に於いても【ウォーリアー】にその度合いは傾くかなという、色んな意味で衝撃的な印象を残してくれた作品となった。




こんな名作を今迄観ていなかったなんて、、、
Amazon prime videoに感謝です!!
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