リアルなファイトシーン、俳優陣の見事な役作りと熱のこもった演技（中でもトム・ハーディのそれは鬼気迫るものを感じる）等々素晴らしい点はいくつもある。だけれど最も特筆すべき事柄は音楽の使い方、The Nationalの”Start a War”と”About Today”だ。映画用に書かれたスコアではなく、既存の楽曲がここまでハマるのは珍しい。曲の雰囲気はもちろん、歌詞がキャラクターの心情とリンクしていて、特に”About Today”の掛かるシーンはただでさえ胸の熱くなるシーンなのに、もうとんでもなくエモーショナルな気分にしてくれる。歌詞の日本語訳が字幕で表示されないのは惜しいが、曲調がゆっくりな上に平易な単語ばかりなので聞き取れるはず。数年前に観て以来、ずっとThe Nationalを聴き狂ってるのでその効果は保証する。
