アキラナウェイ

大空港2013のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

大空港2013(2013年製作の映画)
3.8
戸田恵梨香が大好きな中2の娘。
この間ファンレターを書いていました。
で、戸田恵梨香が出ているという事で、娘と鑑賞。

三谷幸喜作品、久し振りだなぁ。

羽田着予定のフジドリームエアラインズは、羽田上空の天候不良の為、急遽松本空港に着陸する事になった。グランドスタッフである大河内千草(竹内結子)は、乗客の対応に奔走する。佐賀での親族の葬儀を終えた田野倉一家の対応をしていた大河内は、ついつい彼らの身内のトラブルに首を突っ込みすぎて…。

この作品のウリは何と言っても、ワンシーン・ワンカット!!

ワンカット。
それは、ロマン。
ただ一度の本番に向けて、全てのクルーが心を一つにして紡ぐ、究極の映像体験。舞台劇に似た緊迫感。

ワンカット大好きマンとして、これは堪らん!!

一癖も二癖もある、田野倉一家の面々が、まぁ面白い!!

絶賛不倫中の父親役は香川照之。
佐賀までこっそりついてきた不倫相手は戸田恵梨香。
田野倉の妻役神野三鈴。
(この人の演技がめちゃんこ面白い!)
田野倉の妻を騙す詐欺師にオダギリジョー。
長男役に池松壮亮、長女役に石橋杏奈。
田野倉妻の兄は生瀬勝久。
その他、空港のスタッフとして甲本雅裕やら青木さやか等。

三谷幸喜は、限られた空間の中で、小さな不条理が、やがて大きなカオスへと変異していく様が面白い。要は小さな舞台で、しっちゃかめっちゃかになっていく人間模様を描くのが絶妙に上手い。

だから、「ラジヲの時間」なんかが堪らなく好き。
あれも、ラジオの収録ブースという小さな箱の中で起きる混乱をよく描いている。

三谷幸喜の脚本だけで十分面白いのに、105分のドラマを1回で撮り切ろうとしたその心意気に万歳三唱。

本作は撮影の為に、開業時間前の松本空港を2時間、9日間に渡って貸切にして撮影されたという。最初の3日間はリハーサル。残りの6日間、毎朝撮影を行い、最も出来の良いものが作品化された。

キャストの動線、撮影クルーの動線を全て計算し、観衆は大河内について回りながら、田野倉家の騒動に一緒になって巻き込まれてしまう。

家族の秘密が次から次へと暴露され、
人間って自分勝手で、情けなくて、滑稽で、なのに憎めない。

フレームの外を想像するのも楽しい。
それがワンカット。
映画だって一種の芸術だけど、
大袈裟に言えば、ワンカットはその中でも純度の高いダイヤモンドみたいなもの。

好き!!