いちみる

マスター・アンド・コマンダーのいちみるのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

⚜️

🌹ロン毛のラッセル・クロウ珍しかった。
🌹イギリスの小説家パトリック・オブライアンの『オーブリー&マチュリン』シリーズの10作目"『The Far Side of the World(南太平洋、波瀾の追撃戦)』を原作として製作された作品。戦術を駆使したイギリス艦長vsフランス艦長の駆け引き、両者の船による海上戦闘シーンが迫力満載。
🌹オーブリーがナイルの海戦でイギリス海軍提督ネルソンの下で戦っていたこと、そんなオーブリーが右腕を失ったブレイクニーにネルソン(ネルソンも隻腕隻眼)の本を渡していたこと、オーブリー含め士官達がネルソンをめちゃくちゃ慕っていたこと、ネルソンは戦闘でいつも「敵めがけて突進しろ」と言っていたこと…この時代のイギリスとフランスの歴史を思い出す。
🌹日が沈んだ頃、後を追ってきてるアケロン号を撒くためサプライズ号の明かりを消し、逆に囮のいかだに明かりを灯したまま放置。アケロン号がいかだに攻撃してる間に逃げる作戦天才すぎ。
🌹魔法の島ガラパゴス諸島に行くはずだったのに…。オーブリー「数日間は停泊するから心ゆくまで虫を集めていい」って約束したのに、アケロン号追いかけるの夢中でマチュリンの期待と夢を即行壊しちゃうのモヤモヤ。進路を急に変更したことによって口論。オーブリーは艦長でマチュリンは軍医だからね…そりゃ2人の目的や優先度違っちゃうよね。
🌹喧嘩したけど、最終的にはマチュリン(親友)>アケロン号。
🌹マチュリン鏡見ながら自分で手術はやばいよ。やると思ったけどちょっと痛々しかった。
🌹親友オーブリーのためにあと1歩のところで夢を捨てるマチュリン。悔しい気持ちを押し殺しお互いがお互いを想い決断。2人の友情、胸熱だった。
🌹アケロン号の不意を襲うにはと考えていたオーブリー。そんなオーブリーにガラパゴス諸島で発見したユニークな姿のナナフシの話をするマチュリン。ナナフシにヒントあり。アケロン号を罠にはめるためサプライズ号を捕鯨船に変装といった奇策を思いつく。海軍や帆船に関する知識が豊富なオーブリー。自然観察からも戦術を思いつくのは鬼才すぎる。捕鯨船ですアッピで黒い煙をガンガン出し、逃げ、服装も着替え、イギリス海軍とは分からないように変装。しっかり手が込んだ作戦だった。
🌹奇襲(サプライズ)に勝機あり!
🌹剣あげるのはどういう意味だったんだろ。奇襲に対して参りました、素晴らしい策であったと敬意を表してあげたのかな?それともその場を乗り切ろうとシンプル騙すための小道具だった?
🌹アケロン号の艦長、あの船医だったなんて…まんまと騙された。フランス側も奇策立ててたんだね。ハッピーエンドで終わるかと思えばアケロン号を捕らえるというオーブリーの任務は続くといった終わり方。これもこれで良いね。
🌹この映画、いろんな対比があったように感じた。
任務に忠実な艦長オーブリーと平和を愛する軍医マチュリン。海上での人為的戦闘とガラパゴス諸島の神秘的な自然。水兵と士官の食事や待遇の差。ブレイクニーの成長と優柔不断なまま自殺したホロム。
この時代の地位の対比や環境の差なんかを表現したかったのかな。
いちみる

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