南へ行けばのすずのレビュー・感想・評価

フォードに乗ってフランスの片田舎を走る静かなロードムービー。偶然に乗り合わせた4人のひと夏の旅路。日光浴したり、草原に横になったり、花火をみたり、海で遊んだり、焚き火をしたり、喧嘩をして取っ組み合ったり、感情や体を交わしたり。退屈ではあるんだけど、なんだかとても優しくて、儚くて、美しい映画でもある。『ブラウンバニー』を彷彿とさせ、構成も似たところがある。サムを軸に、4人の旅路と、サムの過去の回想を織り交ぜながらストーリーが進んでいく。レアセドゥの奔放な美しさにはただただ見惚れるばかり。