YellTao

乙女の汚れた裸のYellTaoのレビュー・感想・評価

乙女の汚れた裸(2013年製作の映画)
3.5
触れても心に触ることもできないのに…
触れずに、心に触ることはできるのだろうか。

やっぱり第一印象ってずーーっと引きずっちゃうんだろう、とにかく残念な邦題とジャケ画。
制作国チェコ版ポスターデザインは"顔面が見えない"主人公ヨラナの肖像写真で、本作がポルノ的作品ではないことを "顔" にしているから素晴らしい。

ヨラナのような哀しく痛ましい経験は日本でも聞かれるし、その過去が長期的に悪影響となることが描かれているけど、
意図的に心理ドラマとして説明をしていないから共感できる人が少ないんだろうな。
残念だと言いつつ日本での本作の押し出し方によって、女性同士でも認識し難いことと, 男性目線での色眼鏡となってしまう、そのテーマが現実としてタブー扱いだと証明された気がする。

個人的に、現実とキャラ的内面が曖昧な作品は好み。ラストに逆転する現実と妄想の割合が、わざと混乱させるストーリーの補足部分となっていることに唸らされた!(観客を信頼している監督なんだろうな、きっと)

本当の心は、触るのも触らせるのも、難しい…
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