T太郎

リーガル・マインド 裏切りの法廷のT太郎のレビュー・感想・評価

3.5
653
法廷サスペンス物だ。
普通に面白かった。

以下ネタバレ全開で申し述べる。

ケイト・ベッキンセイル扮する女性弁護士が主人公だ。

殺人罪で服役中の女性の再審請求が通り、主人公が彼女の弁護を担当する事になる。
主人公は様々な証拠の不備を見つけだし、
見事無罪を勝ち取るが・・・

この被告女性がとんだ食わせ者なのだ。
嘘八百で演技力もある。
一見、誠実で気弱そうでお人好しな印象を受けるが、釈放されるやいなや、幼い我が子など放ったらかしで愛人の下に走る、そんな女だ。
主人公はまんまと騙されていたわけだ。

実際に警察や検察に不正があったので、被告女性の嘘八百が真実味を帯びてしまったきらいもある。

しかし、主人公が彼女の証言を鵜呑みにし過ぎたという点も指摘しておきたい。
裏を取ったりの作業は当然しているのだろうが、被告女性の涙にあっさり騙された印象だ。

法廷物の醍醐味はカタルシスだが、この作品においては残念ながら薄い。
物語の展開上仕方ない面もあるが、ちょっと物足りない。

検察側の存在感がほぼ無いというのもある。
検察と弁護人との丁々発止のやり取りがあり、不利になり追い込まれた後に大逆転勝利。
法廷物には、こういうカタルシスを期待するのだ。

後半の被告女性の正体を暴く法廷場面はどうか?
こちらは更にあっさりしている。
そもそも被告女性は、疑われていると知りつつなぜ主人公をクビにしなかったのか?
もっとチョロい弁護人を雇えばよかったに。
そんな事もふと思った。

一見厳格な判事は女好きの助平である。
主人公をホテルの部屋に連れ込もうとする。
被告女性は色仕掛けでこの判事を籠絡していたと思われる。
アメリカの司法は大丈夫なのか?と心配になったのであった。

実は他にも重いテーマが盛り込まれているのだが、サスペンスの部分にだけ焦点を絞って申し述べた。

以上相違ありません。

供述調書みたいな仕様!
T太郎

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