LalaーMukuーMerry

リーガル・マインド 裏切りの法廷のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

3.9
「人間だもの、間違いはあるさ」では許されない裁判の世界。それでも冤罪は起きている。日本では、警察、検察が無実の人を有罪にしてしまうことがある。アメリカでは、被告人を無罪にできる弁護士(裁判で勝つ弁護士)ほど有能と見なされるから、その風潮が行き過ぎて、本当は有罪の人を無罪放免にしてしまうことがあるらしい。

この作品は、そんな罠に陥った有能な女性弁護士が、自分の過ちを償うというお話で、私には興味深かったです。裁判ものの印象的な作品「情婦」(1957)、「真実の行方」(1996)では容疑者の特異な人格のため、どんでん返しが生まれて作品としても面白いのですが、この作品はそういう事とは全く違う力学が働いて間違った判決が生まれるのだという、現実的な視点を示すことが新鮮でした。

しかし、如何せん、地味です。それに主人公の女性弁護士は個人的にも家庭生活にもトラブルを抱えていて、ヒステリックになりながらも頑張るその姿は、ちょっと痛々しくもあり、なかなか感情移入しにくい人物なので、裁判の行方よりもそっちの方に目が行ってしまう作りなのは残念でした。主人公のこのキャラは必要だったのでしょうか?