体罰の場面はゾッとした。
一方でカットせずに残したことは本当に立派だと感じた。
「教え子を殴って逮捕された野球部の監督」なんて文字面で言ったら完全な悪党のイメージを思い浮かべるけれど、あの野球部の監督はモンスターではない。そういう人が子供を執拗に殴っていることに恐ろしさがある。
必ずしも悪が暴力を生み出すのではなく、単純すぎる正義感が暴力を生み出す瞬間を捉えている。
有名な理事長の土下座の場面は、めちゃくちゃ失礼だと思いつつも、ある種の残酷なユーモアも感じてしまった。とにかく真剣。真剣さ故の残酷。
正義も真剣も突き詰めていくと凄く不気味なものを孕む。この作品を放映することに批判があったというが、一方的にこの作品の彼らを裁くような言い方をする人たちはちょっと信頼できないと個人としてはおまったな。勿論、問題が多いのは確かだけど、誰かの居場所を私心だけじゃなく作ってる人たちであることに変わりはないし。
とにかく簡単に言語化できない。故に大傑作なんじゃないか。
野球部の監督と理事長のその後がまた……現実こそすごい。。。