TAK44マグナム

ドラゴン・コップス 微笑捜査線のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.0
ウェン・ジャン主演のアクションコメディ。
パッケージではジェット・リーの方が目立っていますが、劇中ではウェン・ジャンの相棒役で、主に格闘場面担当です(ウェン・ジャンもアクションパートはかなり多いですが)。

というか、これは完全に日本向けの確信犯的パッケージ詐欺でしょう(苦笑)。
いかにもジェット・リー主演の本格アクションみたいに謳ってますからね。
確かにアクションもたくさん観られますが、どれもリアルファイトではなくて、ワイヤー、CG、合成と特撮てんこ盛り。
かなりあり得ないアクションばかりです。
アクションパート自体も笑わせることが最優先に作ってあります。
そして、アクションパートはあくまでもコメディパートの繋ぎとしての役割であって、いわゆる香港流のコテコテでベタベタなギャグが中心となっております。
なので、香港コメディに疎かったり、嫌いな方にはまったくもってオススメできません。
かなり脱力系のギャグが多いのですが、それでも何か所かはついつい笑ってしまいましたので、個人的には詰まらないとは感じませんでした。パーフェクトにくだらないけれど(苦笑)。
映画ネタもいくつかありましたね。見事にすべってましたが。

お話の内容はわざわざ紹介するほどのものでもなく、とってつけたような筋書きで、撮影現場で思いついたまま撮ったような代物です。
ふざけた事件がおきて、それをふざけた刑事たちが捜査して、何の伏線もなしにふざけた解決をするという、人を舐めきったふざけたストーリーで、中身なんてな~んも無いです。
でもそれが香港流と言えば香港流なので、慣れてしまえば、「ああ、またこのパターンなのね。テキトウでいい加減なのは毎度のこと」と、あまり気にならなくなります。
要は、この手の香港映画は大まじめに構えて観てはダメという事です。リラックスして、屁でもこきながら鑑賞するのが吉。

カメオ出演が多いのも特徴でして、なにげにジョシー・ホーなんぞもチョイ役で出ていたりします。
そして、最大のウリとなっているのがジェット・リーの三大アクション場面なのですが、VSコリン・チョウ、VSウー・ジン、VSブルース・リャンという、夢のような対決場面が用意されています。
これでリアルファイト風なら良かったのですが、完全におちゃらけた内容なので苦笑いしながら楽しむしかありません。
まあ、色々と凝ったことを織り交ぜた、工夫されたアクション場面ではありますけどね。
邦画だとまずここまでくだらないアクションに情熱をかけることができないので、その点に関しては香港は30年先をいっています。反対に、笑いのセンスは30年遅れているような気もしますが・・・(汗)。

コリン・チョウもウー・ジンも、ただこの場面だけに出てきたって感じで、全然本筋に絡みません。
大した無駄遣いっぷりですねえ。コリン・チョウなんて「マトリックス」のセラフ役ですよ。ハリウッド俳優ですよ(苦笑)
対してブルース・リャン先生は一応、重要な役を担っておりますが、劇中のほとんどをただ寝ているだけの役なので、かなりの省エネ演技。
ジェット・リーとの対戦では、これがまた「カンフーハッスル」とほぼ同じ演技。
なんなんだ、このオッサンは・・・(誉めてます)

クライマックスでジェット・リーが披露する必殺技からして、言ってみれば少年漫画みたいな映画ですね。
少年ジャンプに載っていてもおかしくないですよ。そんでもって10週で打ち切りみたいな。
そう思って観ると、意外と楽しめるかもしれませんよ。
女優陣は、みんなそれぞれタイプの違う綺麗どころを集めたって感じなのも男としては嬉しいですね。

そうそう、エンドロールのNG集で、ウェン・ジャンが「こんな役だとは聞いてなかったよ」と、笑いながらこぼしていましたが、心は笑っていなかったんじゃないかと思います(笑)。


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