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あの娘、早くババアになればいいのにのkjmのレビュー・感想・評価

3.1
アイドルを目指し毎夜レッスンを続ける父と娘。血の繋がらない2人だが、分かりあい、同じ場所を目指していると思われたものの……。

父親にとって我が娘が誰より可愛く、愛しく、自分にとっての最高のアイドルであるということと、国民の娘としての「アイドル」のあり方とを掛け合わせた主題ということはわかるが、結論はどうにもよくわからない。葛藤や懊悩の表現だというわけでもなく、単純にブレている。とはいえ、例えばあのキスがなければだいぶ分かりやすかったものの、それではただのよくあるアイドル根性論に帰結するだけで何も面白くないし、全てを捨てて2人が結ばれる結末も安直だし、深く考えずに意外と難しいところに足を突っ込んでしまったのだろうと判断してあまり責めないでいたい。
全体的に空虚だが、登場人物はみんなキャラが立っているし、セリフ回しや演技に関しても棒や滑舌の悪さ含めて味があって、悪くはない。最終的には「アンナちゃん可愛い!頑張れ!」という気持ちになったりしたので、成功ってことでいいのではないでしょうか。
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