素晴らしい。
その一言に尽きる。
何もかもが圧倒的。
演技力、衣装、セット、音楽…。
もう3度目の鑑賞だか、3度とも心が震えた。
変人と呼ばれた音楽家、ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト。
彼の謎に満ちた半生を描く名作だ。
しかし、主役はモーツァルトではない。
誰よりもモーツァルトに嫉妬した男。
誰よりもモーツァルトを憎悪した男。
そして誰よりもモーツァルトの音楽を愛した男。
アントニオ・サリエリ。
そう、彼こそがこの物語の主人公。
ライバルである秀才サリエリ。
彼の目に天才モーツァルトはどう映ったのか。
そこにあるのは、ただ嫉妬と憎悪しかない。
身悶えするような彼の心の叫びを、ぜひ多くの方に堪能してほしい。
最大の見所は、モーツァルトとサリエリの共同作曲シーン。
瀕死の状態のモーツァルトが口ずさむ曲をサリエリが写譜する。
圧巻だ。
このシーンだけで星5つ付けてもいい。
息が止まるほどの緊迫感。
そこから生まれる美しいメロディ。
これこそまさに天からの授かりもの。
神に愛されたのはモーツァルトだったのか、それともサリエリだったのか。
それは神にしかわからない。