このレビューはネタバレを含みます
モーツァルトってこんなすげえ人なんだよ！音楽ってやっぱいいっしょ！的な伝記映画だと思ったら全然違った。ゴリゴリにヒューマンドラマ。
凡人の天才への嫉妬、羨望、それによる苦痛をサリエリを通して無慈悲にはっきり伝えている。
みんなそれぞれに長けているポイントがあって、各々なりに努力して、周りから称賛を浴びる栄光の時代があるだろうけど、一部の稀有な天才を除いては自分より上の存在が同世代に必ずいて、歯ぎしりする思いをした子がある人が世の大多数だと思う。だからこそ大半の人に刺さるものがこの映画にはある。
サリエリの作曲をモーツァルトが一瞬で弾いて、ディスられて、さらに素晴らしい編曲をしたシーン、出世のために禁欲的に生きてきたのに、パーティ中におっ始めようとするモーツァルト見るシーン、仮面舞踏会で自分の曲が平凡だとディスられて皆に笑われるシーンが特に印象的。
サリエリの真面目な性格からすると、モーツァルトのヘラヘラしてて落ち着きのなくて、傍若無人な態度だけど実力故に成立している現実は歯痒かっただろ。
音楽に造詣ないけど、知ってる曲も多くて楽しめそうだったんだけど、深夜で隣の部屋にピアノ音響いてないか気にしちゃって、後半楽しみきれなかったの残念。
