このレビューはネタバレを含みます
音楽の授業で習ってきたモーツァルトの今までの印象とは全く異なっていて衝撃を受けた。
全編を通して彼らの時代を全面に描いているから没頭できるし、服装も綺麗でオペラも最高だった…！
ストーリーは明確になっていないモーツァルトの最期について、(今は信憑性が低いとされている)サリエリ暗殺説を元に制作してるみたいだけど、こんなに生々しいサリエリの心情を描いているのすごすぎる。
最後のサリエリに譜面を頼むシーンは
死神と共同作業を行なっているようにも見えてくる、迫力があって息を呑んでしまった。
本当にサリエリのモーツァルトへの感情が凄い刺さってくる。
サルエリの「自分だけ」がモーツァルトの才能を知っている、彼を理解しているという、憎しみと執着と尊敬が混ざったような重い感情が凄いし、
対するモーツァルトも、傲慢でありながら素直なところがどうしても憎めなかった。
そんなモーツァルトから最後に「許してほしい」って言われたことは、サリエリにとって何よりも重い意味のあった言葉だったのかな…など考えた。
モーツァルトの善き友人を演じてたサリエリだけど、結局実は嫌っていたことがバレてたし、それでいて「許してほしい」と言われても、最後まで自分のためにモーツァルトを騙して利用していたサリエリは絶対に許されていい人ではないし、これは辛すぎる。
そんな「許す」という行為が、結果としてモーツァルトとサリエリを完全に分けたことになり、自分自身を凡人たらしめる呪いのように残ったのかな…
本当に素敵な作品だったー！
