たにたに

アマデウスのたにたにのネタバレレビュー・内容・結末

アマデウス(1984年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

【才能】2023年64本目

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの後半生が描かれる。

"彼を殺したのは私だ!"と、かつての宮廷作曲家のサリエリが喚く。精神病院に連れて行かれた老人サリエリは、モーツァルトとの出会いから別れまでの物語を語り始める。

サリエリは、モーツァルトへ嫉妬と憧れが入り混じる複雑な感情を抱いていた。
その想いはこの一言が物語っている。

"1小節ごとに敗北の苦さを知った"

モーツァルトの才能への嫉妬。
しかし、どこか楽観的で女遊びが大好きな彼をサリエリは認めることはできなかった。

音楽というものは時代を超えて永遠に残り続ける。しかし、それは良い音楽であればの話。人々に語り継がれる音楽は凡才には作ることができない。

そもそも凡才と天才とに境界線はあるのだろうか。少なくとも作曲という創作物においては、天才にしか作れないものはある。サリエリは宮廷に仕える権力を利用して、モーツァルトが死ぬまで良き相談者として振る舞い、裏では意地悪を仕組んでいた。
サリエリには誰にも恨まれず、上手く身をこなす頭脳があった。

モーツァルトにもサリエリにもそれぞれ何かしらの才能がある。モーツァルトは、それが音楽だという自信があった。
自分の才能が一体何なのか気づき、それを伸ばすことができれば、最高の武器になるのだ。
たにたに

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